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Channel: Mr.Gの気まぐれ投資コラム
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プレミアトラストという謎のBVI籍積立商品は買うべきか!?

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最近ちらほら耳にするようになった、オフショアのプロバイダーにプレミアトラスト(PREMIER TRUST)という会社がある。

http://premiertrustglobal.com/ja/

 

プレミア・アシュアランス・グループというケイマン諸島設立の会社が、BVI(British Vergin Island)に設立したバージン諸島法に則って運営されるトラストの形態を取った投資商品プロバイダーがプレミアトラストのようだ。

 

形態がトラスト(信託)というところは、アテナベストという香港のIFAが売っているメティス・グローバルと似ているが、商品の内容とオンラインのシステムなどはITA(インベスターズトラスト)と非常に似ている。

 

商品としては非常に珍しいBVI籍の投資商品ということになるが、運営母体であるプレミア・アシュアランス・グループは、ケイマン諸島登記で実質拠点が米国フロリダというわかりにくい構造だ。

 

ケイマン諸島に登記されているインベスターズトラストも実質拠点は米国のフロリダだ。

 

資料によるとプレミア・アシュアランス・グループは米国を拠点に18年の経験があるとのことだが、その運営内容は明らかでない。

 

商品的には積み立て(プロベスト)と一括(プレミア)のパターンがあり、それぞれにファンドを選択するファンドラップ型と複数のインデックス連動ファンドで運用するプリンシパル・プロテクションという元本確保型の商品がある。

 

ファンドラップ型の場合は、UBSが選択した250種以上のファンドから最大10種類の選択し、プリンシパル・プロテクション型の場合はS&P500を含む以下の主要インデックスから最大5種類を選択できる仕組みである。

 

* S&P 500

* MSCI ACWI IMI

* EURO STOXX50

* S&P Asia 50

* MSCI Emerging Markets IMI

* MSCI EAFE

* MSCI World

* FTSE 100

 

積み立て(プロベスト)のプリンシパルプロテクション(元本保証型)では積み立て年数に応じて以下のような満期時の合計積み立て元本に対する利回りが保証されている。

 
* 10年=元本の125%
* 15年=元本の140%
* 20年=元本の150%
* 25年=元本の160%
 
入手した資料および、HPでは明確な記載を見つけられなかったが、おそらく、この元本保証はインベスターズトラストのS&P500INDEX 15年の140%保証と同様に、契約金額での満期までの継続した支払いが条件になっているものと思われる。
 
RL360(ロイヤルロンドン)などと同じように、継続した10年以上の積み立てに対してロイヤリティーボーナスの設定もある。
10年で10年間の合計支払額に対して10%、その後5年刻みで5年間の支払額に対して7.5%のボーナス設定となっている。
 
積み立て商品(プロベスト)の管理手数料は、最初の10年が1.9%、それ以降が0.75%となっているほか、固定管理費が毎月5ドルかかることになっている。
 
プレミアトラストの売りは、元本確保型のプロベスト(Provest)プリンシパル・プロテクションであるといっても過言ではないだろう。
 
今までこの手の商品は、インベスターズトラストの提供するS&P500INDEXしかなく、インベスターズトラストの場合には積立期間15年しかなかったのに対して、プレミアトラストの場合は10年、15年、20年、25年と選択肢があり、またS&P500だけではなく、MSCIやFTSEなど複数のインデックスに分散できる。
 
商品の開発に関しては、相当インベスターズトラストの商品やオンラインシステムなど良いところを盗んで改良した感がある。
 
同社の提供する資料には、主要他社の積み立て商品と比較して手数料の低さをアピールする比較表が提示されているが、これは検証してみないと何とも言えない。
 
最初の10年が1.9%でその後が0.75%というのはITAと変わらない気がするが、資料のシミュレーションでは想定利回り6%で25年後には大きな違いが出ていた。
 
ケイマン登記のプレミア・アシュアランス・グループが提供するBVI(ブリティッシュ・バージンアイランド)籍のプレミアトラストを扱っているIFAは今のところシンガポールのヘンリーというところに限られるようだ。
 
また、プレミアトラストのアジア市場におけるアドミンはマレーシアの事務所が管轄のようだ。
 
商品的には良く煮詰められたものと見受けられるが、これを実際にRL360(ロイヤルロンドン)やITA(インバスターズトラスト)と比較して購入するかと言えば、自分ならまず検討することもないだろう。
 
最も大きな理由は、扱っているIFAが1社しかないということ。
 
さらに、そのIFAがパートナーとしている紹介ルートに問題が感じられることである。
 
ネットワークビジネス的に副業としてこの商品を紹介したいひとには良いかも知れない。
 
聞いたところでは、誰でも購入するひとが、自分の契約に関して最低でも、積み立ての2ヵ月分をキックバックして貰えるらしい。
 
経験上、このような荒っぽい売り方をされる商品が長続きするとは思えない。
 
残念ながら、この商品を勧めてくるひととはおさらばだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

 

 

 


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